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人間 × 宇宙

人間 × 宇宙

宇宙空間に誰もがアクセスできるようになった時、
人間は国境や利害を超えて協調できるのか?

いつの時代も宇宙は人類の「夢とロマン」の舞台でした。今、国家の威信のために、資源獲得のために、あるいは人びとの好奇心や探求心を満たすため——各国で宇宙探索・開発レースが繰り広げられています。近い将来、誰もが気軽に大気圏を越えることができるようになったら……私たちはどう変わっていくのでしょうか。

過酷環境としての宇宙への障壁が低くなることで、宇宙観光ビジネスが台頭し、アミューズメントを提供する場となることは想像に難くありません。宇宙が娯楽として消費されることに対して、議論を呼ぶかもしれません。

宇宙は国境のない空間です。宇宙条約では「全人類が平等の基礎に立ち、自由に探査や利用できる領域」と定められています。しかし、ひとたび惑星や衛星、小天体に豊富な資源が発見されれば、覇権や利権を争う場と化してしまうかもしれません。

『FUSE』では、資本主義のゲームではない、異なる未来の「人間と宇宙」の可能性を思い描きました。

宇宙を学びと探究の場とし、そこで得た発想や知見を基に、地球の問題を解決する画期的かつ独創的な方法を生み出すことはできないでしょうか。

無尽蔵といわれる資源を、宇宙空間での活動に役立てるとともに、地球全体の課題解決や豊かさの維持に向けて利活用することはできないでしょうか。

現在の社会や国家間の地政学の延長上にあり、人類の欲望のために消費される宇宙と、新しい価値基準や思想により尊重され、地球とともにある宇宙。

あなたはどちらの宇宙を夢見ますか?

現在の価値観の延伸によるビジョン:人間のための宇宙

  • 技術が、人間の生産活動や娯楽をより便利・快適にする宇宙利用を生み出す
  • より高速な通信やより大量な旅客輸送など、既存の性能を高めることに宇宙を利用する
  • 宇宙の利権や競争、領土を奪い合う
  • 地球のエネルギーや資源を利用して宇宙を利活用する

工学研究科が思い描く別のビジョン:地球のための宇宙

  • 技術が、地球全体の問題を解決し、環境を保全する宇宙利用を生み出す
  • 新しい物質の発見や素材の開発など、未知の性能を発見することに宇宙を利用する
  • 国境を超えて1つしかない地球を保全する
  • 地球の自然やエネルギー資源を維持するために宇宙を利活用する

望ましい方向性を考えるために考慮すべきバランス

  • より速く、より大量に ーーーーー 地球を保全する
  • 地球から宇宙を見る ーーーーー 宇宙から地球を見る
  • 人間のため ーーーーー 地球のため

関連する工学研究科の研究分野の例

  • 航空宇宙材料・構造
  • 航空宇宙システム・ガバナンス
  • 宇宙探査・推進